研究会報告

第56回東アジア恠異学会研究会

日程:2008年7月13日(日)13:00〜17:30
場所:関西学院大学梅田キャンパス1005教室

「中国中世初期における鬼神観と「妖怪」―道蔵本『女青鬼律』を中心として―」
佐々木聡氏(東北大学)

「『今昔物語集』「天狗説話」の研究」
久留島元氏(同志社大学)


第55回東アジア恠異学会研究会

日程:2008年5月24日(土)13:00〜17:00
場所:園田学園女子大学

「近代における民衆の「不可視の世界」」
荻野夏木氏(総合研究大学院大学)

コメント:一柳廣孝氏(横浜国立大学)


第54回東アジア恠異学会研究会

日程:2007年11月4日(日)10:30〜17:30
場所:関西学院大学梅田キャンパス1404教室

「応仁の乱と怪異」(大会準備報告)
高谷知佳氏(京都大学)

「怪異本執筆者による内容説明と質疑」
 
※執筆者:西山克氏・大江篤氏・榎村寛之氏・山田雄司氏・
黒川正剛氏・久禮旦雄氏・木場貴俊氏・戸田靖久氏


第53回東アジア恠異学会研究会

日程:2007年9月23日(日)13:00〜18:00
場所:関西学院大学梅田キャンパス1408教室
特別企画「新撰亀相記の世界」

(1)問題提起 大江篤氏「『新撰亀相記』と亀卜」

(2)工藤浩氏「『新撰亀相記』の文献的性格」

(3)下鶴隆氏「『新撰亀相記』と氏族伝承」

  コメント 榎村寛之氏「『新選亀相記』と平安時代の亀卜史料」

(4)シンポジウム「『新撰亀相記』と恠異学」

  司会:榎村寛之氏 パネラー:大江篤氏・工藤浩氏・下鶴隆氏


第52回東アジア恠異学会研究会

日程:2007年7月28日(日)13:00〜17:00
場所:京都大学百万遍キャンパス法経本館2階第5演習室


「伏見御香宮神社における神功皇后由緒についての考察」
 ―野村奈欧氏(京都大学大学院)

「妖怪馬鹿孤ならず、必ず隣有り 〜江戸のお化け知識つながり〜」
 ―化野燐氏(作家)


第51回東アジア恠異学会研究会

日程:2007年5月13日(日)13:00〜18:00
場所:京都大学百万遍キャンパス法経本館4階第1演習室


特別企画「怪異と文学―善家秘記の世界―」
(1)問題提起T「善家秘記の研究状況」―松倉明子氏(京都大学科目等履修生)

(2)「「染殿后」考―「記」から「物語」へ―」―久留島元氏(同志社大学大学院)

(3)「『善家秘記』の「裸鬼」―冥吏像の日中比較」―佐野誠子氏(和光大学)

(4)「コメント」―田中貴子氏(甲南大学)

(5)問題提起U「善家秘記と『怪異』」―久禮旦雄氏(同志社大学大学院)

(6)質疑応答「怪異学と文学の可能性」


第50回東アジア恠異学会研究会

日程:2007年4月29日(日)13:30〜18:00
場所:園田学園女子大学30周年記念館2階チャティー


「『太平記』の怪異と怨霊―話題提供のためのメモ―」
 ―西山克氏(関西学院大学)


第49回東アジア恠異学会研究会

日程:2007年1月28日(日)13:00〜18:30
場所:京都大学百万遍キャンパス法経本館4階第1演習室


「近世における説話伝承のあり方―藤原実方を例として―」
 ―鬼頭尚義氏(神戸大学院生・近世国文学)

「「怪異学」の可能性―王権論(限定的な「恠異」)と認識論(総体としての「不思議なコト」)―」
 ―榎村寛之氏(斎宮歴史博物館学芸員・日本古代史)


第48回東アジア恠異学会研究会

日程:2006年12月16日(土)15:00〜17:30
場所:園田学園女子大学30周年記念館特別会議室


「中世地方神社における神意の発現形態―筑後国鷹尾社を素材として」
  苅米一志氏(就実大学助教授・日本中世史)


第47回東アジア恠異学会研究会

日程:2006年11月1日(日)13:00〜17:30
場所:京都大学百万遍キャンパス法経本館4階第1演習室


「カミの可視化と不可視化―18世紀における神霊観の転回」
  井関大介氏(東京大学院生・日本近世宗教史)

「「神仏習合」概念の成立について―怪異学についての覚書にむけて―」
  久禮旦雄氏(同志社大学院生・日本文化史)


第46回東アジア恠異学会研究会

日程:2006年9月9日(土)13:30〜17:10
場所:園田学園女子大学30周年記念館3階・特別会議室


「怪異学についての覚え書き―心理学の立場から」
  鈴木公洋氏(太成学院大学講師・知覚心理学)

「鈴木発表へのコメント」
  黒川正剛氏(太成学院大学講師・西欧地域文化研究)


東アジア恠異学会編『亀卜』合評会

日程:2006年6月11日(日)13:00〜
場所:関西学院大学大阪梅田キャンパス KGハブスクエア大阪


評者:加瀬直弥氏(國學院大学 研究開発推進センター)
    評者:大江篤氏(本会副代表委員 園田学園女子大学助教授)


東アジア恠異学会第2回大会検討会

日程:2006年4月30日(土)13:00〜
場所:京都大学百万遍キャンパス法経北館4階・第1演習室


「シンポジウム―王権と怪異―を終えて」
  大江篤氏(副代表・園田学園女子大学助教授)


第45回東アジア恠異学会研究会

日程:2006年2月25日(土)13:00〜18:00
場所:園田学園女子大学2号館221教室
参加者(会員):西山克氏・大江篤氏・榎村寛之氏・土橋誠氏・埴岡真弓氏・久禮旦雄氏・木場貴俊氏・松倉明子氏・久下正史氏・佐々木聡氏・兵頭晶子氏・鬼頭尚義氏・渡辺悦子氏・玉置麻衣氏・吉本祐子氏・森本晋氏・野村奈欧氏・久留島元氏・堀川みどり氏・福田雅佳氏・井手愛子氏・戸田靖久氏

「後白河院託宣に関する一考察―二つの託宣事件を題材として―」
  福田雅佳氏(関西学院大学学生・日本中世史)

「社会性疾患と怪異―室町時代宮廷社会の精神史―」
  西山克氏(関西学院大学教授・日本中世史)


第44回東アジア恠異学会研究会

日程:2005年11月20日(日)13:00〜18:00
場所:園田学園女子大学30周年記念館3階・特別会議室
参加者(会員):西山克氏・大江篤氏・村上紀夫氏・二階堂善弘氏・埴岡真弓氏・化野燐氏・佐野誠子氏・久禮旦雄氏・木場貴俊氏・松倉明子氏・久下正史氏・島田尚幸氏・佐々木聡氏・兵頭晶子氏・鬼頭尚義氏・渡辺悦子氏・玉置麻衣氏・吉村祐子氏・野村奈欧氏・久留島元氏・堀川みどり氏・福田雅佳氏・戸田靖久氏
参加者:(オブザーバー):木原浩勝氏・香川雅信氏【兵庫県立歴史博物館学芸員】・井手愛子氏【関西学院大学・学生】(抜けている方がいらっしゃる可能性があります)


「「弁惑物」についての考察―「弁惑物読本」を考える−」
  鬼頭尚義氏(神戸大学大学院・日本近世史)

「牛女と件(くだん)のフィールドワーク」
  木原浩勝氏(怪異蒐集家)
コメント:村上紀夫氏(大阪人権博物館・学芸員)


第43回東アジア恠異学会研究会

日程:2005年10月29日(土)13:00〜18:00
場所:園田学園女子大学特別会議室
参加者(会員):西山克氏・大江篤氏・山田雄司氏・榎村寛之氏・佐野誠子氏・久禮旦雄氏・木場貴俊氏・松倉明子氏・高谷知佳氏・上和田玲子氏・久下正史氏・島田尚幸氏・佐々木聡氏・鬼頭尚義氏・渡辺悦子氏・玉置麻衣氏・野村奈欧氏・久留島元氏・堀川みどり氏・福田雅佳氏・戸田靖久氏


「王充『論衡』における鬼神論―怪異発現のメカニズム―」
佐々木聡氏(金沢大学大学院・中国思想史)


「怨霊祭祀伝承における「冤罪」の生成−殺人譚・祟りと易占本」
井上智勝氏(大阪歴史博物館学芸員)


第42回東アジア恠異学会研究会

日程:2005年9月24日(土)13:00〜18:00
場所:京都大学百万遍キャンパス法科大学院1階・第二演習室
参加者(会員):西山克氏・大江篤氏・山田雄司氏・榎村寛之氏・土橋誠氏・内田順子氏・佐野誠子氏・久禮旦雄氏・南郷晃子氏・久下正史氏・木場貴俊氏・高谷知佳氏・島田尚幸氏・九鬼旭寿氏・佐々木聡氏・鬼頭尚義氏・玉置麻衣氏・吉本祐子氏・野村奈欧氏・森本晋氏・渡辺悦子氏・久留島元氏・堀川みどり氏・福田雅佳氏・戸田靖久氏
参加者:(オブザーバー):木原浩勝氏・松村和歌子氏【春日大社宝物殿学芸員】・楠誓英氏【関西学院大学・院生】・村山弘太郎氏【関西大学・院生】・井手愛子氏【関西学院大学・学生】(抜けている方がいらっしゃる可能性があります)


「平安時代初期における神祇政策と神仏習合―「怪異」思想の観点から―」
久禮旦雄氏(同志社大学院生・日本文化史)→【発表報告】
(pdfファイル)

「幕末春日社の怪異をめぐって―神鏡落損の精神史―」
戸田靖久氏(國學院大學21世紀COEプログラム奨励研究員)


第41回東アジア恠異学会研究会

日程:2005年7月31日(日)13:00〜18:00
場所:京都大学本部キャンパス・法経北館3階第12演習室
参加者(会員):大江篤氏・黒川正剛氏・庄子大亮氏・榎村寛之氏・二階堂善弘氏・土居浩氏・化野燐氏・佐野誠子氏・埴岡真弓氏・久禮旦雄氏・木場貴俊氏・松倉明子氏・高谷知佳氏・久下正史氏・義田孝裕氏・島田尚幸氏・九鬼旭寿氏・三好英樹氏・佐々木聡氏・鬼頭尚義氏・玉置麻衣氏・吉本祐子氏・井関大介氏・野村奈欧氏・八木登美子氏・小浜志穂氏・久留島元氏・堀川みどり氏・福田雅佳氏・戸田靖久氏
参加者:(オブザーバー):香川雅信氏【兵庫県立歴史博物館】・松村和歌子氏【春日大社宝物殿学芸員】・村山弘太郎氏【関西大学・院生】・


「怪異学における共通言語を考える」
黒川正剛氏(太成学院大学専任講師・西欧地域文化研究)


「近世中期の地方社会における怪異譚‐「西播怪談実記」の諸相‐」
埴岡真弓氏(播磨学研究所研究員・日本中世史)


第40回東アジア恠異学会研究会

日程:2005年6月25日(土)13:00〜17:00
場所:園田学園女子大学
参加者(会員):大江篤氏・山田雄司氏・榎村寛之氏・土橋誠氏・村上紀夫氏・埴岡真弓氏・黒川正剛氏・苅米一志氏・玉置麻衣氏・吉本祐子氏・森本晋氏・九鬼旭寿氏・三好英樹氏・南郷晃子氏・鬼頭尚義氏・島田尚幸氏・佐々木聡氏・木場貴俊氏・渡辺悦子氏・小浜志穂氏・堀川みどり氏・福田雅佳氏・松倉明子氏・高谷知佳氏・上和田玲子氏・野村奈欧氏・戸田靖久氏
参加者:(オブザーバー):森田晃夫氏・北村径子氏・原明日香氏・道岸史子氏・河野恵子氏


「百人一首と怪異」
榎村寛之氏(斎宮歴史博物館主幹・日本古代史)


『対馬亀卜談』による灼甲実験


第39回東アジア恠異学会研究会

日程:2005年5月21日(土)13:00〜17:00
場所:京都大学本部キャンパス・法経北館3階第12演習室
参加者(会員):西山克氏・山田雄司氏・田中貴子氏・榎村寛之氏・土橋誠氏・村上紀夫氏・黒川正剛氏・九鬼旭寿氏・三好英樹氏・南郷晃子氏・鬼頭尚義氏・島田尚幸氏・佐々木聡氏・宮崎大治氏・寺田展子氏・久禮旦雄氏・木場貴俊氏・松倉明子氏・高谷知佳氏・野村奈欧氏・久留島元氏・戸田靖久氏
参加者:(オブザーバー):村山弘太郎氏【関西大学・院生】・森田晃夫氏【甲南大学・学生】・中野亮氏氏【同志社大学・学生】・筒井鮎弥氏【関西学院大学・学生】・井手愛子氏【関西学院大学・学生】・


「伊勢神宮の怪異」
山田雄司氏(三重大学助教授・日本中世史)


東アジア恠異学会新データベースの一提案
九鬼旭寿氏(立命館大学院生・日本近世史)


第38回東アジア恠異学会研究会
國學院大學21世紀COEプログラム共催

日程:2005年3月29日(火)10:00〜
場所:國學院大學渋谷キャンパス120周年記念2号館2104教室

詳しくは【こちら


第37回東アジア恠異学会研究会

日程:2005年2月20日(土)13:00〜17:30
場所:京都大学本部キャンパス・法経北館3階第12演習室
参加者(会員):大江篤氏・久下正史氏・黒川正剛氏・土居浩氏・加藤善朗氏・村上知美氏・久禮旦雄氏・木場貴俊氏・松倉明子氏・高谷知佳氏・庄子大亮氏・兵頭晶子氏・野村奈欧氏・八木登美子氏・久留島元氏・堀川みどり氏・上和田玲子氏・戸田靖久氏
参加者:(オブザーバー):渡辺悦子氏【同志社大学歴史資料館】・玉置麻衣氏【関西大学・院生】


「民俗社会におけるタタリ―その認定と消除を中心として―」
久下正史氏(神戸大学院生・民俗学)


精神医学史はなぜ怪異を語るのか─精神病の日本近代・序説─
兵頭晶子氏(大阪大学院生・日本思想史)


第36回東アジア恠異学会研究会

日程:2004年1月29日(土)13:00〜17:30
場所:京都大学本部キャンパス・法経北館3階第12演習室
参加者(会員):西山克氏・大江篤氏・黒川正剛氏・佐野誠子氏・村上知美氏・埴岡真弓氏・久禮旦雄氏・木場貴俊氏・松倉明子氏・高谷知佳氏・庄子大亮氏・九鬼旭寿氏・兵頭晶子氏・野村奈欧氏・八木登美子氏・南郷晃子氏・小浜志穂氏・久留島元氏・堀川みどり氏・福田雅佳氏・上和田玲子氏・樋口ヒロユキ氏・戸田靖久氏
参加者:(オブザーバー):香川雅信氏【兵庫県立歴史博物館】・村山弘太郎氏【関西大学・院生】・中居惣子氏【関西大学・院生】・渡辺悦子氏【同志社大学歴史資料館】・玉置麻衣氏【関西大学・院生】・横山元秋氏【京都大学・学生】


「近世キリシタンをめぐる「怪しい」語りの考察」
南郷晃子氏(神戸大学院生・日本近世史)


貝原益軒『大和本草』と怪異
木場貴俊氏(関西学院大学院生・日本近世史)


第35回東アジア恠異学会研究会

日程:2004年11月20日(土)13:00〜17:30
場所:京都大学本部キャンパス・法科第4演習室
参加者(会員):西山克氏・山田雄司氏・大江篤氏・島田尚幸氏・倉橋昌之氏・埴岡真弓氏・久禮旦雄氏・木場貴俊氏・松倉明子氏・三好英樹氏・高谷知佳氏・庄子大亮氏・野村奈欧氏・小浜志穂氏・久留島元氏・堀川みどり氏・福田雅佳氏・上和田玲子氏・戸田靖久氏
参加者:(オブザーバー):村山弘太郎氏【関西大学・院生】・宮元正博氏【関西大学・院生】・中居惣子氏【関西大学・院生】

地方文書に見る怪異―丹後国与謝郡温江村を事例に―

村山弘太郎氏(関西大学院生・日本近世史)

「亀卜考―怪異を説明する方法」
大江篤氏(園田学園女子大学助教授・日本古代史)


第34回東アジア恠異学会研究会

日程:2004年10月24日(日)13:00〜17:30
場所:京都大学本部キャンパス・法経北館第12演習室
参加者(会員):西山克氏・田中貴子氏・黒川正剛氏・庄子大亮氏・村上紀夫氏・村上知美氏・佐野誠子氏・義田孝裕氏・久禮旦雄氏・南郷晃子氏・九鬼旭寿氏・三好英樹氏・高谷知佳氏・島田尚幸氏・野村奈欧氏・久留島元氏・戸田靖久氏
参加者:(オブザーバー):福田雅佳氏【関西学院大学・学生】・堀川みどり氏【関西学院大学・学生】ほか

「道仏宗教者の出生の不思議―あるいは神話と伝記」
佐野誠子氏(京都大学人文科学研究所助手・中国文学)

「貞観御霊会再考」
久禮旦雄氏(同志社大学大学院生・文化史学)


第33回東アジア恠異学会研究会

日程:2004年9月26日(日)13:00〜17:30
場所:京都大学本部キャンパス・法経北館第12演習室
参加者(会員):西山克氏・黒川正剛氏・庄子大亮氏・村上紀夫氏・村上知美氏・佐野誠子氏・木場貴俊氏・久禮旦雄氏・南郷晃子氏・松倉明子氏・三好英樹氏・高谷知佳氏・庄子大亮氏・野村奈欧氏・小浜志穂氏・久留島元氏・戸田靖久氏
参加者:(オブザーバー):村山弘太郎氏【関西大学・院生】・福田雅佳氏【関西学院大学・学生】・堀川みどり氏【関西学院大学・学生】・八木登美子氏・石田幸子氏【鳥取大学・学生】・水越悦子氏

「古代における「過去」の創出―なぜプラトンはアトランティス伝説を語ったか―」
庄子大亮氏(京都大学非常勤講師・西洋古代史)

「〈怪異〉としての魔女と王権―ジェイムズ1世『悪魔学』(1597)解読―」
黒川正剛氏(太成学院大学講師・西欧地域文化研究)


第32回東アジア恠異学会研究会

日程:2004年8月28日(土)15:00〜17:00
場所:京都大学本部キャンパス・法科第4演習室
参加者(会員):西山克氏・田中貴子氏・黒川正剛氏・村上紀夫氏・佐伯智広氏・久禮旦雄氏・南郷晃子氏・松倉明子氏・三好英樹氏・九鬼旭寿氏・高谷知佳氏・庄子大亮氏・野村奈欧氏・小浜志穂氏・戸田靖久氏
参加者:(オブザーバー):福田雅佳氏【関西学院大学・学生】・久留島元氏【同志社大学・学生】

「中世における印地について―京都を中心に」
村上紀夫氏(大阪人権博物館学芸員・日本中近世史)


第31回東アジア恠異学会研究会

日程:2004年6月26日(土)13:00〜17:30
場所:京都大学本部キャンパス・法経本館3階・新第一演習室
参加者(会員):西山克氏・山田雄司氏・田中貴子氏・坂井輝久氏・黒川正剛氏・村上知美氏・久禮旦雄氏・南郷晃子氏・木場貴俊氏・松倉明子氏・三好英樹氏・九鬼旭寿氏・高谷知佳氏・庄子大亮氏・野村奈欧氏・風間厚徳氏・戸田靖久氏
参加者:(オブザーバー):梶ゆかり氏【関西学院大学・学生】・森亜由美氏【関西学院大学・学生】・高田恵氏【関西学院大学・学生】・高木泉【京都女子大学・学生】・榊悠圭氏【京都女子大学・学生】・村山弘太郎氏【関西大学・院生】・今村あゆみ氏【関西大学・院生】・堀川みどり氏【関西学院大学・学生】・福田雅佳氏【関西学院大学・学生】ほか

「中世後期根来寺勢力の宗教活動」」
三好英樹氏(仏教大学院生・日本中世史)

「もう一つの明治維新―幕末維新期における怪異の諸相」
戸田靖久氏(関西学院大学院生・日本中世史)


第30回東アジア恠異学会研究会

日程:2004年5月22日(日)13:00〜17:00
場所:京都大学本部キャンパス・法経本館2階特別講義室
参加者(会員):西山克氏・山田雄司氏・田中貴子氏・太田出氏・榎村寛之氏・木場貴俊氏・佐野誠子氏・松倉明子氏・三好英樹氏・九鬼旭寿氏・埴岡真弓氏・高谷知佳氏・庄子大亮氏・朝山明彦氏・野村奈欧氏・戸田靖久氏
参加者:(オブザーバー):三品理恵氏【皇學館大学講師・日本近代文学】・筒井大祐氏【京都精華大学・学生】・橋本和樹氏【龍谷大学・学生】・堀川みどり氏【関西学院大学・学生】・福田雅佳氏【関西学院大学・学生】

「「泉鏡花作品における『ばけもの』−−中世文学の視点から」」
田中貴子氏(京都精華大学助教授・中世国文学)

「なぜ関羽は顕聖したか?──清朝皇帝の王権(君権)と版図をめぐって──」
太田出氏(兵庫県立大学助教授・中国明清史)


第29回東アジア恠異学会研究会

日程:2004年4月25日(日)13:00〜17:00
場所:京都大学本部キャンパス・法経北館3階第13演習室
参加者(会員):義田孝裕氏・九鬼旭寿氏・黒川正剛氏・榎村寛之氏・田中貴子氏・木場貴俊氏・村上紀夫氏・佐野誠子氏・松倉明子氏・久禮旦雄氏・三好英樹氏・上和田玲子氏・南郷晃子氏・高谷知佳氏・庄子大亮氏・坂井輝久氏・野村奈欧氏・風間厚徳氏・戸田靖久氏
参加者:(オブザーバー):木泉氏【京都女子大学・学生】・永富絵里子氏【京都女子大学・学生】・堀川みどり氏【関西学院大学・学生】

「「東窓」伝承の伝播と『怪談梅草紙』―伝承から怪談へ―」
義田孝裕氏(安田女子大学院生・近世国文学)

「胆大小心録にみる上田秋成の怪異観」
九鬼旭寿氏(立命館大学院生・日本近世史)


第28回東アジア恠異学会研究会

日程:2004年3月20日(祝)13:00〜17:00
場所:園田学園女子大学
参加者(会員):西山克氏・大江篤氏・山田雄司氏・黒川正剛氏・榎村寛之氏・田中貴子氏・京極夏彦氏・土居浩氏・木場貴俊氏・佐伯智広氏・久下正史氏・村上知美氏・村上紀夫氏・佐野誠子氏・松倉明子氏・三好英樹氏・九鬼旭寿氏・高谷知佳氏・庄子大亮氏・戸田靖久氏
参加者:(オブザーバー):斎藤英喜氏【仏教大学・教授】・広田貴代子氏・東雅夫氏・徳田明子氏・片岡美華氏・戸城三千代氏・堀川みどり氏【関西学院大学・学生】*当日は芳名帳を回しませんでしたので、全員のお名前を把握出来ておりません。記入漏れがありましたらご連絡下さい。

「『怪異学の技法』合評会」
斎藤英喜氏(仏教大学教授・民俗学)
佐野誠子氏(京都大学人文科学研究所助手・中国文学)
西山克氏(関西学院大学教授・日本中世史[本会代表])


第27回東アジア恠異学会研究会

日程:2004年2月29日(日)13:00〜17:00
場所:京大会館
参加者(会員):西山克氏・大江篤氏・黒川正剛氏・内田順子氏・佐伯智広氏・矢吹香奈子氏・久下正史氏・福田寛孝氏・村上知美氏・南郷晃子氏・佐野誠子氏・三好英樹氏・久禮旦雄氏・戸田靖久氏
参加者:(オブザーバー):高谷知佳氏【京都大学・助手】・舩田淳一氏【仏教大学・院生】・尾崎修一氏【上智大学・院生】・小泉智子氏【関西学院大学・院生】・中村玉生氏・庄子大亮氏【京都大学・院生】・福田雅佳氏【関西学院大学・学生】
「院政期の摂関家における仏神事」
矢吹香奈子氏(京都大学院生・日本近世史)

「護符とその縁起―温泉寺「果生」を中心として―」
久下正史氏(神戸大学院生・民俗学)


第26回東アジア恠異学会研究会

日程:2004年1月31日(土)13:00〜17:00
場所:京都学生研修会館
参加者(会員):西山克氏・大江篤氏・堤邦彦氏・田中貴子氏・福田寛孝氏・村上紀夫氏・村上知美氏・木場貴俊氏・南郷晃子氏・佐野誠子氏・九鬼旭寿氏・三好英樹氏・義田孝裕氏・久禮旦雄氏・戸田靖久氏
参加者:(オブザーバー):高谷知佳氏【京都大学・院生】・亀田洋子氏・相馬容子氏・片岡美華氏

「城の怪異譚をめぐる研究−説話伝承とその社会文化的背景」
南郷晃子氏(神戸大学院生・日本近世史)

「林羅山の知識体系 怪異からの考察」
木場貴俊氏(岡山大学院生・日本近世史)


第25回東アジア恠異学会研究会

日程:2003年12月13日(日)13:00〜17:00
場所:園田学園女子大学
参加者(会員):福田寛孝氏・西山克氏・大江篤氏・榎村寛之氏・田中貴子氏・京極夏彦氏・太田出氏・佐野誠子氏・村上紀夫氏・土橋誠氏・村上知美氏・南郷晃子氏・久下正史氏・近藤謙氏・井熊勇介氏・九鬼旭寿氏・三好英樹氏・木場貴俊氏・松倉明子氏・久禮旦雄氏・戸田靖久氏
参加者:(オブザーバー):平野将則氏【種智院大学密教資料研究所嘱託研究員】・舩田淳一氏【仏教大学・院生】・福田雅佳氏【関西学院大学・学生】・堀川みどり氏【関西学院大学・学生】・井上航氏・相馬容子氏【臨川書店編集部】・多田厚子氏・前田尚美氏・山内弥幸氏・河野恵子氏・室田辰雄氏・金子真未氏・戸田勇介氏

「見えないものの姿とかたち―聖者に付き従うものたち」
近藤謙氏(仏教大学院生・日本仏教美術史)


第24回東アジア恠異学会研究会

日程:2003年11月2日(日)13:00〜17:00
場所:京都学生研修会館
参加者(会員):西山克氏・榎村寛之氏・黒川正剛氏・村上知美氏・南郷晃子氏・佐伯智広氏・近藤謙氏・井熊勇介氏・九鬼旭寿氏・三好英樹氏・久禮旦雄氏・戸田靖久氏
参加者:(オブザーバー):徳田明子氏・平野将則氏【種智院大学密教資料研究所嘱託研究員】・舩田淳一氏【仏教大学・院生】・福田雅佳氏【関西学院大学・学生】・堀川みどり氏【関西学院大学・学生】・藤堂薫氏【関西学院大学・学生】・梶ゆかり氏【関西学院大学・学生】・相馬容子氏【臨川書店編集部】

「下巻 三十八縁考―怪異への説明という実践」
井熊勇介氏(仏教大学院生・仏教文化学)


第23回東アジア恠異学会研究会

日程:2003年9月28日(日)13:00〜17:00
場所:京都学生研修会館
参加者(会員):西山克氏・山田雄司氏・榎村寛之氏・加藤善朗氏・田中貴子氏・上島享氏・黒川正剛氏・京極夏彦氏・化野燐氏・村上知美氏・村上紀夫氏・佐伯智広氏・埴岡真弓氏・内田順子氏・近藤謙氏・井熊勇介氏・佐野誠子氏・木場貴俊氏・九鬼旭寿氏・三好英樹氏・久禮旦雄氏・上和田玲子氏・戸田靖久氏
参加者:(オブザーバー):多田克巳氏・岩田慎平氏・近藤愛弓氏【名古屋大学COE研究員】・福田雅佳氏【関西学院大学・学生】・相馬容子氏

「日本中世の神観念と国土観」
上島享氏(京都府立大学助教授・日本中世宗教史)


第22回東アジア恠異学会研究会

日程:2003年7月26日(土)13:00〜17:00
場所:京都学生研修会館
参加者(会員):西山克氏・山田雄司氏・大江篤氏・榎村寛之氏・田中貴子氏・上島享氏・黒川正剛氏・倉橋昌之氏・村上知美氏・松倉明子氏・佐伯智広氏・南郷晃子氏・佐野誠子氏・九鬼旭寿氏・義田孝裕氏・三好英樹氏・久禮旦雄氏・片野敬勇氏・上和田玲子氏・戸田靖久氏
参加者:(オブザーバー):徳田明子氏・福田雅佳氏【関西学院大学・学生】

「六朝志怪に見る怪異と身分」
佐野誠子氏(京都大学人文科学研究所助手・中国文学)
発表レジメはこちら(pdf形式・約270Kバイト)

「怪異のポリティクスのための遠い覚書」
西山克氏(関西学院大学教授・日本中世史)


第21回東アジア恠異学会研究会

日程:2003年6月14日(土)13:00〜17:00
場所:京都学生研修会館
参加者(会員):西山克氏・山田雄司氏・大江篤氏・榎村寛之氏・田中貴子氏・黒川正剛氏・倉橋昌之氏・村上知美氏・木場貴俊氏・南郷晃子氏・佐野誠子氏・九鬼旭寿氏・義田孝裕氏・三好英樹氏・久禮旦雄氏・戸田靖久氏
参加者:(オブザーバー):末松憲子氏【京都精華大学・院生】・上和田玲子【立命館大学・学生】・福田雅佳氏【関西学院大学・学生】

「災異から怪異へ―天台密教の役割を中心に」
久禮旦雄氏(同志社大学学生・文化史学)


第20回東アジア恠異学会研究会

日程:2003年3月29日(土)13:00〜17:00
場所:京都学生研修会館


第19回東アジア恠異学会研究会

日程:2003年2月15日(土)13:00〜17:00
場所:京大会館
参加者(会員):西山克氏・山田雄司氏・大江篤氏・酒向伸行氏・黒川正剛氏・倉橋昌之氏・井上和美氏・久下正史氏・埴岡真弓氏・村上知美氏・木場貴俊氏・久禮旦雄氏・戸田靖久氏
参加者:(オブザーバー):徳田明子氏・小山喜美子氏【園田学園女子大・専任講師】・伊藤太氏【京都府立丹後郷土資料館・学芸員】・岩田慎平氏【仏教大・院生】

「天狗信仰の生成と展開」
酒向伸行氏(大阪市立淀商業高等学校教諭・歴史民俗学)

「あやしの小屋―媒介者たちの中世・その2」
西山克氏(関西学院大学教授・日本中世史)


第十八回東アジア恠異学会研究会

日程:2002年12月21日(土)13:00〜17:00
場所:京都学生研修会館
参加者(会員):西山克氏・田中貴子氏・土居浩氏・村上紀夫氏・内田順子氏・埴岡真弓氏・佐野誠子氏・土橋誠氏・村上知美氏・木場貴俊氏・松倉明子氏・久禮旦雄氏・南郷晃子氏・戸田靖久氏
参加者:(オブザーバー):戸城三千代氏【法蔵館編集部】・福田雅佳氏【関西学院大・学生】・

「小町寺考」
村上紀夫氏(大阪人権博物館学芸員・日本中近世史)
村上氏報告

近年、惣墓や三昧聖に関する研究が進み、個別事例の報告もなされてきたが、京都近郊には村落結合と三昧聖との関係を窺うことの出来るような研究がない。そこで、洛北の市原にあり、小町寺と通称される補陀落寺を取り上げて、三昧聖と地域社会の関係を考察したい。補陀落寺については、既に細川涼一の研究があり、もともと同寺は墓守の寺で「おんぼう」が居たところであるが、次第に三昧聖は排除されたことが指摘さるとともに、通小町などの語りは山徒の唱道としてつくられたものが三昧聖によって死霊を成仏に導く芸能として語られたのではないかとされた。しかし、細川は在地社会と当該寺院との緊張関係を捨象しており、また、三昧聖が排除されたことを指摘はするが、なぜ、どのように排除されかについては明らかにしていない。そこで、本報告では三昧聖と地域社会について明らかにし、その中で小町伝承が如何なる意味合いを持っていたのかについて検討したい。
この補陀落寺のある市原には五ヶ村の惣墓があり、『実隆公記』にも記載があり、中世まで溯ることが出来る。史料上の初見とみられるのは寛正二年付けの「補陀落寺山」の売券であるが、確実に寺院としての補陀落寺について記述した史料の登場は寛永18年に宗伝が補陀落寺の什物を書いた「寺之什文之覚」まで下ることになる。後の史料であるが、宗伝は大破した補陀落寺を「こんりう被致候」とあり、この再建によって惣墓の小規模な堂宇が寺院としての景観を整えたのであろう。そしてそれ以降、寺の管理・運営にあたって勧進に協力した鞍馬村・鞍馬寺が補陀落寺に介入するようになったと思われる。
寛文11年の訴状から、細川涼一は「おんぼう」については比較的詳細に論じているが、三昧聖を排除した僧についてはあまり言及されていない。そこで、別の史料を見ると、彼等は補陀落寺の「留守居」「住持」として、鞍馬寺の支配のもと代々弟子に寺を継承していくようになっていたことがわかる。
また、細川は補陀落寺の「おんぼう」が天和2年迄には「住持」に取って代わられるとしているが、決して「おんぼう」が姿を消したわけではなく、元禄迄は史料で確認できる。すなわち、細川が云うように一本化されているわけではなく、元禄までは「おんぼう」は排除されることなく存在し、対立を続けながら併存していたのである。
しかしながら、元禄期におきた灯籠を僧が無断で売却しようとした事件により、在地寺院の自立性は否定され、鞍馬「七組」の絶対的な位置が確認されるとともに、住持の弟子譲りが否定される。また、「おんぼう」も相前後するように墓役を返上している。こうして補陀落寺は鞍馬村の支配下にある住持によって一元的に管理されることとなる。
なお、ここまで補陀落寺が中世的な惣堂から近世的な村落寺院に変容していく過程を見てきたが、その背景として(1)寺檀制度の整備に伴う寺院の性格の変容と(2)地誌の刊行など、都市住民の観光地としての展開がその要因としてあげられるであろう。
また、細川は小町伝説は三昧聖が語ったとするが、正徳以降も近世の地誌類を見ると伝説は成長し、様々な「小町ゆかりの品」が創出されており、小町伝説は補陀落寺の管理主体の変化とは無関係に成長していることが知られる。ここからは、小町伝説が重層的な歴史性を帯びたものであるということが指摘できるであろう。なお、史料がないので断定はできないが、正徳刊行の『山州名跡志』には、古老が小町伝説について「近世の新説」と記していることから、正徳からあまり遠く遡らない時期(寛永の再建以降か?)に新たに語られた可能性もある。


「金神考」
土居浩氏(ものつくり大学専任講師・民俗学/地理学)
土居氏報告

【注意】まず、当日の発表そのままではないことをお断りしておきます。当日、いみじくも「螺旋状の論理展開」とのコメントを頂戴しましたので、この「研究会報告」ではなるべくリニアな論理展開を心がけました。なお以下の記述は岩波思想大系67『民衆宗教の思想』の「解説 金光大神と金光教」、あるいは平凡社東洋文庫304『金光大神覚』の「解説」、また当日の発表を聞かれた方は山口文憲『日本ばちかん巡り』新潮社に収録の「金光教 人もたちゆき神も立ちゆく」あたりを読まれますと、より一層ご理解頂けることと思います。
【要旨】金光教の教祖・金光大神(赤沢文治1814-83)が書き残した『金光大神御覚書』『お知らせ事覚帳』それぞれの安政五年十二月二十四日の条における「不思議」記述の有無、その意味についての一解釈を提示した。その上で、解釈提示の大前提である両作品の資料的性格を勘案するならばそう簡単にゆく話しではないのではないか、という方法論的議論を促した。
【資料】金光教教典である『金光大神御覚書』(明治七年起筆、同十二年以後完成。記されたのは自身の生誕から明治九年六月までほぼ年代順。以下『覚書』)・『お知らせ事覚帳』(先行研究に従いここでは慶応三年十一月二十四日から明治元年の頃にかけて起筆との立場をとる。記されたのは安政四年の弟・繁右衛門への金神乗り移り事件から教祖が没する明治十六年十月十日の十九日前まで。以下『覚帳』)。『覚書』は自叙伝風作品・『覚帳』は備忘録的作品とされる。
【注目】金光大神は一農民として前半生を暮らすが、川手家(のちに赤沢と改姓 )養子に入って以来、天保七年の義弟・養父の死に始まり、実子を天保十三年・ 嘉永元年・同三年に一人づつ、嘉永三年と四年に牛一頭づつを亡くしている。この「七墓築かした」ことが神(金神、最終的には天地金乃神)からの「知らせ」であったことが判明するのが、安政五年十二月二十四日の「お知らせ」であった 。そして『覚書』『覚帳』にそれぞれ記されたことで、現在の我々がこの事態を 把握しうる手掛りとなっている。両者ともにほぼ同様の記述だが、『覚帳』には 「七墓」の経緯を回顧する段で「不思議」と記されている。『覚書』には「不思議」の記述はない。
【解釈】『覚書』安政四年十月以降の記述は『覚帳』を参照しつつ書かれたと想定されている。この想定を前提とするならば、今回取り上げた安政五年十二月二十四日の「お知らせ」に関しては、『覚帳』が下書き、『覚書』が清書と仮に位置づけられるだろう。いわば下書きから清書への移行段階で、「不思議」記述が消されたわけである。これを、下書きから清書への整除、とのみ捉えるのは不充分だろう。やはりこれは「七墓築かした」ことが、『覚帳』記述段階では「不思議」であり、『覚書』記述段階では「不思議」ではなくなった、と捉えるべきではあるまいか。これは金光大神じしんの信心の深まりを意味していると解釈できまいか。今後、他の条における記述との比較検討が不可欠であるが、一例を挙げておく。『金光教教典用語索引』によれば、「不思議」は『覚書』に皆無であり、『覚帳』では他に一箇所である。金光大神自身の筆としては「不思議」記述はきわめて珍しい表記である。他に「不思議」に類似するような用語、たとえば「怪異」「奇異」などは、少なくとも索引には挙げられていない。いわば「七墓築かした」ことが、金光大神にとって過去の怪異現象として捉えられていたことを示すのが『覚帳』の「不思議」記述であるならば、『覚書』で「不思議」記述がなくなったことは、もはや『覚書』執筆時点では「七墓築かした」ことは金光大神にとって過去の怪異現象ではなく、まさに神(=天地金乃神)からの「お知らせ」であったこととして捉えられていたことを示すのではなかろうか。
【展開】とはいえ、このような解釈を提示しうるのも、『覚書』『覚帳』なる作品が残されているからこそである。そしてこの『覚書』『覚帳』という作品内部の記述が、作品外部の歴史的事実に対応している、という大前提を受け入れればこそ、このような解釈も可能なのである。なぜわざわざこのようなことを述べるかといえば、『覚書』『覚帳』が教祖の言葉だけでなく、「お知らせ」なる神の言葉も記されている作品であり、その作品をいかに読むことができるのか、という大問題があるからである。そもそも「お知らせ」が記されること自体が、われわれからすれば「不思議」なのである。『覚書』『覚帳』における弟・繁右衛門への金神乗り移りの記述などは、もはや「不思議」などと言っていられないほどの切迫感すら感じさせるほどに、(繁右衛門の口を通しての)神の言葉が連ねられている。このような内容が記述されている作品を、資料としていかに読み込むことができるか、そのことについての議論が今後必要である。
【反応】じつはこの発表ではさらに、民衆宗教史研究者たちの位置づけも論じたのだが、質疑応答の際にはその点についての反応がほぼ皆無であったので、この報告では省略した。【解釈】部分への反応はいわば従来の方法論的枠組みを遵守した限りでの了解、いわば研究者=解釈者が了解できる範囲での常識的反応である。注目すべきは【展開】部分への反応である。資料とする作品をいかに読むか、に関して中世の古記録に見える夢見の記載をいかに読むか、という問題が出された。私見を述べるならば、夢見の記載はいわば中世における<あちら側>の「お知らせ」記述なのであり、今回取り上げた『覚書』『覚帳』と時代も執筆者の階層も異なるものの、類比して考えるべき問題である。結論は出なかったものの、 方法論的検討の第一歩として、問題点を共有できたのではないかと思われる。
【露呈】当会では、史料用語である「恠異」を方法論的ツールとして鍛え上げるという本願があったはずなのだが、その後は「恠異」の用例析出と、怪異に少々関係ありそうならば発表としてOKという研究会の繰り返しに終始しつつあるかに見える。やはり方法論的検討が必要であろうと昨年度末の研究会で問題提起したものの無かったことにされている土居としては、今回の発表は正直気が進まなかった。しかし、具体的資料に基づいた上で発表するならば、きちんとした反応はあるのである。これは当日の懇親会まで引き続いた議論であり、応答された参加者にはあらためて感謝したい。とはいえ個別の発表のみに方法論的検討を任せるわけにはゆかない。今回、同日発表者である村上氏と前もってメールで打ち合わせをし、いわば両極端の発表を意識的に行った。今後はやはり会として方法論的検討をいかに位置づけるかを考える必要があるだろう。掲載が遅れがちな(むしろ残念ながら掲載を諦めていると判断せざるをえないような)このHP「研究会報告」欄も、検討対象とすることが望まれる。
※この報告を作成するにあたり、草稿を当会会員である松倉明子さんに読んで頂き、有益なコメントを頂戴しました。記して感謝いたします。


第十七回東アジア恠異学会研究会

日程:2002年11月30日(土)13:00〜17:00
場所:京都学生研修会館
参加者(会員):西山克氏・山田雄司氏・田中貴子氏・土居浩氏・佐野誠子氏・黒川正剛氏・土橋誠氏・村上知美氏・米津江里氏・杉本喜一氏・木場貴俊氏・矢吹香奈子氏・松倉明子氏・片野敬勇氏・久禮旦雄氏・南郷晃子氏・戸田靖久氏
参加者:(オブザーバー):梅田千尋氏・大塚活美氏・・宮田摩耶氏・竹口竜介氏・福田雅佳氏

「安倍晴明「現象」―院政期のおける晴明イメージ」
田中貴子氏(京都精華大学・助教授)

「城と城主をめぐる怪異―姫路城オサカベ譚を中心に」
南郷晃子氏(神戸大学・院生)

第十六回東アジア恠異学会研究会

日程:2002年10月26日(土)13:00〜17:00
場所:京都学生研修会館
参加者(会員):山田雄司氏・太田出氏・佐野誠子氏・黒川正剛氏・土橋誠氏・村上紀夫氏・米津江里氏・矢吹香奈子氏・松倉明子氏・内田順子氏・片野敬勇氏・久禮旦雄氏・南郷晃子氏・戸田靖久氏
参加者:(オブザーバー):大平幸代氏・徳田明子氏・福田雅佳氏・

「中国六朝の史官と志怪―東晋中興期を中心に」
大平幸代氏(関西学院大学・専任講師)

「近世書物に見る胎児観―元禄期前後の女子用書物を中心に」
米津江里氏(神戸大学・院生)

第十五回東アジア恠異学会研究会

日程:2002年8月31日(土)13:00〜17:00
場所:京都学生研修会館
参加者(会員):西山克氏・山田雄司氏・村上知美氏・村上紀夫氏・土居浩氏・黒川正剛氏・倉橋昌之氏・土橋誠氏・佐伯智広氏・井上和美氏・井熊勇介氏・近藤謙氏・南郷晃子氏・久禮旦雄氏・戸田靖久氏

「徳大寺家の家産と怪異」
佐伯智広氏(京都大学・院生)

西欧近世における<怪異>について‐驚異・科学・悪魔‐
黒川正剛氏(大阪短期大学・専任講師)
第十五回研究会報告
○黒川氏報告:「西洋近世における〈怪異〉について−驚異・科学・悪魔−」

西欧社会において「怪異」というものはあるのであろうか?あるとするならば、その特色はどのようなものであるのか?本報告ではこのような問題関心にもとづいて、西欧の近世とくに16世紀を対象にして「怪異」なるものの検討を行った。具体的に分析の対象とした史料は、アンブロワーズ・パレ著『怪物と驚異について』(1573年初版)である。翻訳上の問題と語義上の問題から、日本における「怪異」という言葉に対しては西欧の「驚異」という言葉がほぼ対応するといってよいであろう。そして語源的・語義的に「驚異」と「怪物」は、ほぼ同義である。

欧米において「驚異」研究は非常に盛んである。最近20年間に歴史学・文学・美術史・哲学等の様々な学問分野が「驚異」にアプローチしており、膨大な研究の蓄積がなされている。「学際的」研究、学問的にも対象的にも正統から逸脱した事象の研究といった特徴が欧米の「驚異」研究の特徴といえるであろうが、この特徴は本学会の「怪異」研究にも妥当するものであるといえるであろう。

さて西欧の近世社会、ことに16世紀の社会は「驚異」が増殖した社会であった。古代以来「驚異」には異人種や犬頭人などの異形の存在、奇形児、彗星・隕石、珍奇な動植物等が含まれていた。16世紀もこのような古代以来の「驚異」観を踏襲したのであるが、終末論的雰囲気の高揚、宗教改革・宗教戦争の激化、新大陸アメリカの発見によって、「驚異」に対する関心はこれまでになく膨れ上がった。15世紀末から16世紀にかけて数多くの「驚異」文献が著された。これらの文献の一つが先のパレの著作である。

パレはフランスの外科医であり、宮廷付の外科医を務めた人物である。したがって当時の水準における医学的判断にもとづいて「驚異」を説明しようとしている。しかしながらその説明は現代における合理的説明とはまったく異質なものであった。史料の検討から明らかになった点および考えられることを大きく二つにまとめれば次のようになる。@根本的にパレは「驚異」「怪物」の実在を信じており、またそれらについての説明には「神」の意志という側面からの「驚異」解釈が貼り合わせになっている。よって、西欧近世の「驚異」(=「怪異」)解釈にはキリスト教の「神」の存在を忘れることはできないということ。A悪魔が関与する「驚異」に対しては、パレは悪魔による幻惑・想像という点を強調している。よって、「驚異」におけるこのような悪魔についての認識論が、近代の科学的思考を準備した可能性があるということである。

本報告の内容は、結果として次のような諸問題を照らし出すことになる。
@「怪異」観の形成やありようを解釈するためには当該社会の「世界観」を詳らかにする必要がある。西欧社会と日本社会では事情が異なる。
A「怪異」観形成における大文字の「宗教」の関与を絶えず念頭におかなくてはならない。西欧社会の場合、「驚異」解釈にキリスト教の「神」の問題を欠くことはできない。では日本やその他の東アジア諸社会における「怪異」はどうなのか?
B文化の翻訳(解釈)可能性の問題。現代の日本文化圏に住む人間が西欧近世の人々の「驚異」を感情・感性レベルで理解し、そして解釈できるのか?学問的な保証をどう考えたらよいのか?この問題は同一文化圏における異時代間の解釈問題にも当てはまる。そもそも解釈とは何か?


第十四回東アジア恠異学会研究会

日程:2002年7月28日(日)13:00〜17:00
場所:京都学生研修会館
参加者(会員):西山克氏・山田雄司氏・榎村寛之氏・村上知美氏・黒川正剛氏・化野麟氏・福田寛孝氏・佐伯智広氏・井上和美氏・矢吹香奈子氏・家塚智子氏・松倉明子氏・木場貴俊氏・内田順子氏・杉本喜一氏・片野敬勇氏・久禮旦雄氏・松浦美沙子氏・戸田靖久氏
参加者:(オブザーバー):徳田明子氏・片岡美香氏・村上弘太郎氏【関西大・院生】・安永恵理氏【立命大・学生】・細谷典史氏【大阪電気通信大・学生】・奥田るみ子氏・山添順子氏

「長元の斎王託宣とその背景」
榎村寛之氏(斎宮歴史博物館)

「足利義政将軍宣下時における社会状況」
家塚智子氏(奈良女子大学・院生)

第十三回東アジア恠異学会研究会

日程:2002年6月29日(土)13:00〜17:00
場所:京都学生研修会館
参加者(会員):西山克氏・山田雄司氏・堤邦彦氏・村上知美氏・黒川正剛氏・井上和美氏・矢吹香奈子氏・佐伯智広氏・松倉明子氏・久禮旦雄氏・戸田靖久氏
参加者:(オブザーバー):山田奨治氏【日文研・助教授】・中山和久氏【日文研・講師】・徳田明子氏【関西学院大・学生】・氏【立命大・学生】・相馬容子氏

「怪異文献DBの作成について」
山田奨治氏(国際日本文化研究センター助教授・情報学)

「恠異学会版怪異データベースの具体的作業」

第十二回東アジア恠異学会研究会

日程:2002年5月25日(土)13:00〜17:00
場所:京都学生研修会館
参加者(会員):西山克氏・山田雄司氏・田中貴子氏・村上知美氏・黒川正剛氏・倉橋昌之氏・井上和美氏・矢吹香奈子氏・家塚智子氏・松倉明子氏・木場貴俊氏・久禮旦雄氏・松浦美沙子氏・戸田靖久氏
参加者:(オブザーバー):徳田明子氏【関西学院大・学生】・藤井慎司氏【関西学院大・学生】・寺岡秀晃氏【立命大・学生】・上和田玲子氏【立命大・学生】・前辻文恵氏・九鬼旭寿氏【立命大・学生】・三好英樹氏【立命大・学生】・相馬容子氏

「活動報告その他」
西山克氏(東アジア恠異学会研究代表)

「恠異学会版怪異データベースの現状と課題」
戸田靖久氏(東アジア恠異学会世話人)

第十一回東アジア恠異学会研究会

日程:2002年4月20日(日)14:00〜16:00
場所:岡山大学付属施設
参加者(会員):西山克氏・山田雄司氏・土居 浩氏・村上知美氏・黒川正剛氏・化野燐氏・米津江里氏・松倉明子氏・片野敬勇氏・木場貴俊氏・戸田靖久氏
参加者:(オブザーバー):徳田明子氏【関西学院大・学生】・松浦美沙子氏【関西学院大・学生】・西田礼香氏【関西学院大・学生】・岡山大学のみなさん

研究報告「近世怪異をめぐる一考察 儒仏関係から」
木場貴俊氏(岡山大学大学院・日本近世史)

第十一回研究会報告
○木場貴俊氏報告:「近世怪異をめぐる一考察 儒仏関係から」

はじめに
「怪異」という視点から近世社会、今回は近世前期の儒仏関係を検討する。

一 儒仏の怪異をめぐる動き
○仏教の「怪異」−『奇異雑談集』を素材にして−
・『奇異雑談集』:仏教怪異小説の嚆矢。写本は1648〜1687に成立。仏教の唱導話材を彷彿とさせる内容を持つ。
・『奇異雑談集』にとって「怪異(奇異)」とは、仏教の霊験と認められない希少で珍しい現象や事象を指す。

・内容は、@仏教怪異譚A唐土譚B知識啓蒙譚に大きく分けられる。

○儒教の「怪異」―林羅山を例に−
・羅山は『論語』にある「子、不語怪力乱神」の立場をとっていたが、実際は怪異に大きく関心を持っていた。
怪異について羅山は、

@孔子が語るのは詩書執礼であり怪力乱神は語るところのものではないが、どうしてもやむを得ない場合、訓戒を含めた形で語ってもいい。しかしそうしたことができるのはごく少数で、かえって人を惑わす場合が多い。
A怪異は有道の者には述べる所ではないが、世俗の論としては肯定できる。
B文学に関して、怪異は大いに語るべきである。
としている。

・羅山の語る怪異譚の内容とそれに含まれる訓戒
@儒者として世俗とは一線画した立場。
Aほとんど渡来小説の翻訳。だが民間の情報にも精通。
B訓戒の目的は多くが仏教批判であり、仏教説話の儒教的解釈も行う。だが仏教で語られる怪異や霊験の否定はせず。また自分の立場である朱子学の鬼神論に対しても批判を行っている。

○儒仏の怪異による結びつき
・『奇異雑談集』上−3と『野槌』(羅山の『徒然草』注釈書)42段注釈の両方に見える怪異の比較から推測できるのは、

@『野槌』を『奇異雑談集』が採用改作
A原話を双方が採用。

B『奇異雑談集』上巻草稿本を羅山が引用→『野槌』では原文をそのまま引用し、出典を付記するため考えられずの3つであり、可能性が高いのは@とA(原話は『野槌』に近い)である。
◎『奇異雑談集』は羅山の著作物を引用していたとまでは言えないが影響を受けてい
たのではないか?
→それを証明するのが産女(姑獲鳥)である(『奇異雑談集』下−4)。

1631年に刊行された羅山の薬物和漢名対照辞典『新刊多識編』に、「姑獲鳥 今案ニ宇布米登里、又云奴恵」とあり、「今案」という言葉から、産女=姑獲鳥説は羅山が考えた可能性がある。また産女=姑獲鳥説は最初歌学や俳諧の世界でしか語られていなかった→(産女=)姑獲鳥=鵺説を書いた『野槌』の影響。
『奇異雑談集』が羅山の知識を引用→仏教が儒者(漢学者)による怪異の説明・解釈を吸収。排仏的立場をとる羅山の意見を、自分たちが語る怪異の箔を付けるために仏教側は利用。
→三教一致的世界といわれる近世社会の中での儒仏の怪異による結びつき。

二 近世怪異の展開

○「怪力乱神」をめぐる状況 −羅山と了意−
浅井了意『伽婢子』(1666)「序」→『元亨釈書』「智通論」の引用
・儒仏論争上で、輪廻転生や出家を批判する儒教に対して、漢籍から怪異譚を集め、その出典書名の権威で勧化の妥当性を主張する仏教
・羅山の『元亨釈書』に対する評価…感嘆から非難へ
→仏教が儒教の説を利用して自説を権威づけるのは、『元亨釈書』以来の伝統。

○羅山の怪異への影響

・池田正式『霊怪艸』(1648)跋冒頭と「恠力乱神問答」冒頭の同一…序・識語の作者懶斎=満田古文(羅山の門弟)、跋の作者意諄=意春(古文の子息)と関係。・艸田斉『籠耳』(1687)…『野槌』の影響。
・「陰魔(摩)羅鬼」…『怪談全書』→『太平百物語』→『今昔画図続百鬼』

・備前国牛窓の地名をめぐる神宮皇后伝承(元禄以降)…『本朝神社考』の利用。

・新井白石『鬼神論』…羅山の名前は見えないが、『野槌』や『多識編』の影響が確認できる。

・平田篤胤『古今妖魅考』…『本朝神社考』を展開しての排仏・天狗論。

おわりに
・近世の怪異は三教一致的世界の中で成立する(儒仏の相互関係)
・近世知識人にとって怪異は自分たちが生活している世界を把握するための重要な問題→その中で林羅山は知的根拠源として位置づけられる。

○質疑

・知識人が怪異を世界把握のための問題と位置づけたのは、個別の学問世界の要求か、それとも社会経済状況に基づく要求か?そうした世界解釈は、自分たちのいる世界と怪異の存在する世界(異界)を隔絶するものだったか、それとも異界を自分たちの世界に取り込むためのものだったか?
・近世に怪異小説が流行したのは何故か?

・羅山のこうした活動をどう位置づけるのか?羅山を中心にした知的情報ネットワークの解明。→羅山の捉え直し。日本にとっての儒学とは何か?


第十回東アジア恠異学会研究会

日程:2002年3月10日(日)10:00〜17:00
場所:京大会館
参加者(会員):西山克氏・大江 篤氏・土居 浩氏・村上紀夫氏・黒川正剛氏・佐伯智広氏・井熊勇介氏・松倉明子氏・矢吹香奈子氏・戸田靖久氏
参加者:(オブザーバー):榎村寛之氏【斎宮歴史博物館学芸員】・野地秀俊氏【京都市歴史資料館】・片野敬勇氏【京都教育大・学生】・北地直子氏・郡司島絢子氏【京都教育大・院生】・徳田明子氏【関西学院大・学生】・木場貴俊氏【岡山大・学生】・久禮旦雄氏【同志社大・学生】・片岡美華氏・京極夏彦氏・多田克己氏・化野燐氏・武内由佳氏・内田順子氏・中山和久氏【日文研・中核的研究機関研究員講師】

研究報告「平安宮に出た鬼-宮中に出た鬼の物語の背景」
榎村寛之氏(斎宮歴史博物館主査兼学芸員)
研究報告「中世の降臨伝承と神社組織―祇園牛王寺社を例に―」
野地秀俊氏(京都市歴史資料館)

自由討論「怪異とは何か」

2001年度東アジア恠異学会総括
西山克氏(東アジア恠異学会・研究代表)

第十回研究会報告
【報告者:榎村寛之氏・野地秀俊氏】
○榎村寛之氏報告:「平安京の『鬼』−宮中に出た鬼の物語の背景」
 『日本三代実録』仁和三年八月十七日条に、平安宮の宴の松原で美形の男に美女が
喰われたという記事がある。
この史料は道行く人の話の又聞きで、「噂」を正史に乗せたことがわかる。同年七
月三十日には大地震があり、典型的なパニック時のデマが『日本三代実録』の最末尾
に載ったことになる。
さて、鬼に喰われる美女は、祟り神を抑えられず、生贄となる巫女に似ている。
「鬼」と「祟り神」とは意外に似ているのである。
そういう目で見ていくと『日本霊位異記』中巻33で、鬼を暗示する「仙」「山知
識」が気になる。平安宮の土地神の園韓神社、京に隣接する平野、梅宮神社の祭礼に
は「山人」という賢木や薪をもたらし、巫女と連れ舞をする不思議な者が出てくる
が、園韓神や平野は竈神と関係があり、竈神もまた祟り神である。平安宮のあった土
地と鬼には意外に関係があるのかもしれない。
このように、平安宮の鬼は、平安宮の平衡が崩れ、妖怪変化が蠢くという雰囲気を
象徴しているように思われる。その背景には、大地震とともに光孝天皇の病があっ
た。
天皇の霊力が弱まると新しい天皇が必要になる。この後、源定省が復籍して宇多天
皇になること、そして『日本三代実録』の編者が宇多朝の左右大尽、藤原時平と菅原
道真であることを考えれば、こうした鬼の記事は、宇多天皇即位を必然のものと位置
付けるための、前時代の終末を告げる「神話」と考えられるのである。

◎議論を通して
議論の中で強く感じたことを二つ。まず山から賢木を持って降りてくる者が中近世
社会でも見られ、そこに芸能や差別に関わる問題がある、という指摘は「鬼」と
「神」がかなり時代が下っても近い存在だったことをうかがわせるヒントとして重要
なものでした。
今一つは、平安時代の開始はいつなのだろうか、という問題です。、少なくとも六
国史が、天変地異と怪物の出現、天皇の死と、同時に新しい天皇による秩序回復への
期待により幕を閉じることは見のがすべき問題ではありません。実は同時代の人に
は、平安遷都の頃以上に、宇多・醍醐朝は画期的な時代と認識されていたのではない
でしょうか。
○野地秀俊氏報告:「中世の降臨伝承と神社組織―祇園牛王寺社を例に―
現在執筆中

第九回東アジア恠異学会研究会

日程:2002年2月2日(日)13:00〜17:00
場所:京大会館
参加者(会員):山田雄司氏・土居 浩氏・黒川正剛氏・佐伯智広氏・井熊勇介氏・井上和美氏・松倉明子氏・戸田靖久氏
参加者:(オブザーバー):若林晴子氏【東京大学史料編纂所・COE研究員】・福持昌之氏【帝塚山大・院生】・野地秀俊氏【京都市歴史資料館】・永原順子氏【京都大・院生】・片野敬勇氏【京都教育大・学生】藤井朋子氏【京都大・学生】・徳田明子氏【関西学院大・学生】・木場貴俊氏【岡山大・学生】・青谷美羽氏【同志社大・学生】・久禮旦雄氏【同志社大・学生】・片岡美華氏

内容
研究報告「南都の鬼追い行事−民具・周縁・空間−」
福持昌之氏(帝塚山大学大学院博士課程)
研究報告「天狗と中世における<悪の問題>
若林晴子氏(日本学術振興会特別研究員【東京大学史料編纂所】


第八回東アジア恠異学会研究会

日程:2001年12月16日(日)13:00〜17:00
場所:京都私学会館
参加者(会員):西山 克氏・大江篤氏・土居 浩氏・黒川正剛氏・矢吹香奈子氏・村上知美氏・村上紀夫氏・井上和美氏・松倉明子氏・久下正史氏・戸田靖久氏
参加者:(オブザーバー):斉藤研一氏【武蔵大学非常勤講師】・若林晴子氏【東京大学史料編纂所・COE研究員】・梅沢 恵氏【早稲田大学・院生】・黒田 智氏【日本学術振興会特別研究員・東京大学史料編纂所】・北地直子氏【JT生命誌研究館・サイエンスコミュニケーション&プロダクションセクタースタッフ】・野地秀俊氏【京都市歴史資料館学芸員】・佐伯智広氏【京都大・院生】・家塚智子氏【奈良女子大学・院生】・保阪 亨氏・片野敬勇氏【京都教育大・学生】・熊田玲子氏【関西学院大・学生】・藤井慎司氏【関西学院大・学生】

研究報告「洛中「小社」繁盛神社考」
村上紀夫氏(大阪人権博物館学芸員)
研究報告「子取り尼再考」
斎藤研一氏(武蔵大学非常勤講師)


第七回東アジア恠異学会研究会

日程:2001年11月10日(土)12:30〜17:00
場所:京都学生研修会館
参加者(会員):西山 克氏・上島亨氏・山田雄司氏・矢吹香奈子氏・福田寛孝氏・村上知美氏・村上紀夫氏・井上和美氏・松倉明子氏・米津江里氏・久下正史氏・井熊勇介氏・戸田靖久氏
参加者:(オブザーバー):黒田智氏【日本学術振興会特別研究員・東京大学史料編纂所】・福持昌之氏【帝塚山大学・院生】・伊藤隆氏・安藤真希氏【京都大・学生】・藤井朋子氏【京都大・学生】・植野加代子氏【神戸女子大・院生】・石本麻悠子氏【関西学院大・学生】・谷口くみ氏【関西学院大・学生】・市川明子氏【関西学院大・学生】・阿部京子氏【関西学院大・学生】・栗田里美氏【関西学院大・学生】・大橋未奈氏【関西学院大・学生】

研究報告「中世王権と鳴動」
西山克氏(関西学院大学・教授)
研究報告「コスモスとしての大地・身体と鳴動の波動」
黒田智氏(日本学術振興会特別研究員)
研究報告「音声怪異に見える【祖霊】と【子孫】のあり方」
戸田靖久氏(京都教育大学・院生)


第六回東アジア恠異学会研究会

日程:2001年10月13日(土)13:00〜17:00
場所:京大会館
参加者(会員):西山 克氏・山田雄司氏・土居 浩氏・矢吹香奈子氏・福田寛孝氏・村上知美氏・井上和美氏・松倉明子氏・米津江里氏・井熊勇介氏・戸田靖久氏
参加者:(オブザーバー):片野敬勇氏【京都教育大・学生】・西野春奈氏【関西学院大・学生】

第六回研究会報告
【報告者:西山克氏・松倉明子氏】
「雑談的懇話会」
今回はテーマ毎の雑談を交えた談話を。
いろいろと話が広がってしまってそのままになっているところもあるようなので、
何かわかったら是非報告を、お待ちしています。

◎テーマ・ケガレと恠異の関係
ケガレと恠異は同じ?わける?
ケガレと言えばやはり神社関係が主に。
しかし清浄化するためにケガレを祓うのと恠異は別なのでは?
トピック:犬の糞の話。犬の糞のケガレ=恠異とみる。
考えられなくはない。
トピック:春日の鹿の話。興福寺で鹿が挟まれたが特にお祓いもない。
恠異には違いないはずなのでやはり扱いが違う。
トピック:鳥が鳴く、狐が鳴くなどすべて恠異となりえる。
しかしこれがケガレとはなりにくい。
ケガレを発端として恠異がおこる?
トピック:神社がけがれる→おこって恠異を現す→祓う

小まとめ
けがれと恠異はそもそも尺度が違う。
やはり同じものとして見るのは無理があるよう。

以下ケガレについての談話
・古代は天皇の前でも人を斬る
・中世ではけがれになるのでありえない
・狐ならけがれになるとかならないとか
・中国にけがれはあるか?
・特にところかまわず人も斬るし塩漬けにして喰うし
少なくとも日本のようなけがれの観念はない様子
・朝鮮にはある
・日本でもこの観念は京限定?
・ケガレの肥大化(あえて変遷とは言わない)

◎テーマ・室町の祈祷
室町時代の祈祷の扱いは?
朝廷(南北)と幕府の祈祷の違い。
恠異の伝わり方・文章の流れがまず問題。
なにか事象があった場合、地方からどのように伝わってくるのか。
それ自体が恠異かどうかの判断は国司にまかされる?
中央(国家)に伝えるほどではない場合地方レベルでの対処が求められる。
◎テーマ・江戸時代の恠異
江戸時代にはいると国家は恠異を認めない
例えば江戸にはいると鳴動などは見あたらない。
また将軍が夢を見たからどうする、というような話もない。
個人的に祈祷をすることはあってもそれを政治的に取りあげることはない。
これはなぜか?
庶民には例えば暦などさまざまに呪術等を信じる土壌がある。
しかし徳川が何かしたという話はない。
現実主義であるためか?

このようなあたりで時間の都合もあり今回の談話は終了いたしました。
いろいろな話を自由にできるというのは有意義な時間だったと思います。
またこういう機会があればおもしろいと思います。

村上知美氏(東アジア恠異学会会員)
「文徳実録を中心とした変異記載に関する一考察」
現在執筆中

第五回東アジア恠異学会研究会

日程:2001年8月25日(土)13:10〜17:00
場所:京都学生研修会館
参加者(会員):西山 克氏・山田雄司氏・大江 篤氏・土居 浩氏・矢吹香奈子氏・福田寛孝氏・村上知美氏・村上紀夫氏・生駒孝臣氏・二星潤氏・久下正史氏・井上和美氏・松倉明子氏・戸田靖久氏
参加者:(オブザーバー):黒嶋敏氏【東京大学史料編纂所・助手】・片野敬勇氏【京都教育大・学生】・藤井朋子氏【京都大・学生】・西野春奈氏【関西学院大・学生】・田丸愛【関西学院大・学生】

第五回研究会報告
【報告者:西山克氏・井上和美氏】
大江篤氏(東アジア恠異学会会員)
「陰陽寮と『祟』」
はじめに
・「祟」とは?  本来:神が祭ることを人に要求
律令制下:「祟」は神祇官卜部による認識、「祟」の主体は神祇官の管轄下=神
9世紀初頭:「祟」る主体が神以外のものへ ex.早良親王の霊
・本論の課題   陰陽師による「祟」認識:いつごろから? どのような状況で?
(「祟」の認識…神祇官→陰陽寮の占)
*10、11世紀の貴族の日記にみえる「祟」を分析し、貴族社会における「祟」の実相を把握したうえで、陰陽師と「祟」の関係を考察する

1平安貴族の「祟」観
?軒廊御卜
・10・11世紀の日記にみえる「祟」→神祇官陰陽寮がならんで認識(10世紀31例中13例、11世紀49例中8例)
10世紀:『九歴抄』天暦2年(948)9月20日条、『村上天皇御記』天徳4年(960)5月13日条など
11世紀:『左経記』寛仁元年(1017)7月1日条、『春記』長暦2年(1038)9月16日条
・軒廊御卜:天皇を責任者とし、国政上の大事をうらなうもの(神祇官と陰陽寮)
10世紀以降、「卜」と「占」の区別なし、神祇官と陰陽寮はほぼ対等にうらないを行う
陰陽寮:「祟」る神の特定(神祇官よりも具体的に「祟」を認知)→陰陽寮が重要な役割
?私的な卜占と陰陽師…病気の原因追求のひとつの方法としての占い→「祟」の登場
?平安貴族の「祟」観(『小右記』長和2年(1013)5月25日条、『御堂関白記』長和元年(1012)閏10月18日条など)
異変(病気・災害など)発生→「祟」ではないか?(疑問)→陰陽師にうらなわせる(疑問の解決)
貴族の日常的な思考のなかに「祟」が定着
◎小結
・軒廊御卜(政務)・占(私的な病気、災害)→陰陽師による「祟」認識
・個人的異変の発生→「祟」意識→陰陽師に依頼→「祟」る主体の確定
・陰陽師と「祟」の密接な結びつき

2陰陽寮の「祟」認識
?神祇官と陰陽寮
・『続日本紀』天応2年(782)7月庚戌条:災異・妖徴→神祇官・陰陽寮のうらない→服喪期間で吉凶混雑
→「祟」→天皇不予
・『日本後紀』延暦15年(796)7月辛亥条:肥後国阿蘇郡神霊池の枯渇→「卜筮」→「事旱疫にあたる」
→賑給・読経・悔過
・『三代実録』貞観6年(864)12月26日条:「亀筮」:亀卜と占筮を並立、占いは大宰府で実施→中央に言上
*九世紀前半  神祇官と陰陽寮はともにうらなうものの、「祟」を結果とする例はほとんどなし
通例として神祇官の亀卜を優先するも、陰陽寮のうらない自体は一定の役割を果たす

?前兆を示すうらない
・九世紀後半の陰陽寮奏上:将来起きるであろう災異について(未来の予知)
(『三代実録』貞観5年3月15日条、『同』貞観7年正月4日条など)
・物恠への対処→陰陽寮の予兆を示すうらないの活躍(『三代実録』貞観8年7月6日条)
・陰陽寮の言上・占の中に神の「祟」を示す事例
→『三代実録』貞観15年5月5日条、『同』貞観15年5月9日条など
*9世紀後半 神祇官の卜:生じた事象の原因を「祟」に求め、それを消滅させようとする
陰陽寮の占:来るべき出来事を予知、未然に防ごうとする
(陰陽寮が「祟」を認知することはない)
神祇官と陰陽寮は並んでうらないをするものの、その構造は異なる

?気比神宮の火災と陰陽寮の「祟」認識
・『三代実録』元慶2年(878)2月27日条:越前国気比神宮の火災を「祟恠」と陰陽寮が占断
・『類聚三代格』巻1元慶8年(884)9月8日付太政官符:神宮司は祭料の租穀の出納に関して、国司の管轄を離れ、独立した財政運営
9世紀に気比神宮と越前国司は封戸の租穀の出納に関して対立する要素をもつ
・元慶2年の火災:太政官?越前国司というルートで判断、あえて陰陽寮の占断により認知
・越前国司橘良基の良吏としての立場から、気比神宮の火災をめぐる一件の背景にも、租税を官倉に確保しようと する国司橘良基と、国司の管理を離れ
神社独自の経済的基盤を築こうとした気比神宮司との対立が存在?
*陰陽寮が神の「祟」を占断する背景の一つ:越前国における在地での緊迫した政治状況
原因を追求する神祇官と予知する陰陽寮という区別
神祇官の領域に踏み込んだ占断:廟堂や国司橘良基の強い要請

?「祟」と播磨の陰陽師(家原郷好・弓削是雄・滋岳川人)
・春澄善縄・菅原是善は、播磨国を中心に活躍する陰陽寮官人たちと関係、滋岳川人は播磨国司として、家原郷好は河内国大県郡で播磨国出身の弓削是雄と接する
藤原良房のブレーンである春澄善縄・菅原是善ら文人官僚たちと結びつくことによって、陰陽師は中央の政界と関わるようになる
*陰陽寮の占が次第に重視され、気比神宮の火災をめぐって「祟」を認識するにいたる
◎小結
・9世紀初頭 神祇官の卜と並び、陰陽寮の占いを行っていた
・神祇官:事象の原因を求めるうらない  陰陽寮:これから生じるであろうことを予知するうらない
・元慶2年の越前国気比神宮の火災:在地の政治状況の影響により、陰陽寮が神の「祟」を示す
⇒陰陽寮が神の「祟」を認識することが常態化
背景:播磨国に関係する陰陽寮官人の、春澄・菅原ら文人官僚を介しての中央政界とつながり

おわりに
・9世紀初頭 神祇官と陰陽寮は共に卜占を行う(神祇官:災異・怪異の原因追求 陰陽寮:なんらかの予兆)
9世紀後半 陰陽寮の「祟」認識 
気比神宮の火災についての占い:在地における越前国司と気比神宮司の租穀をめぐる対立
→陰陽寮の占でなければならない必然性
・従来の研究では陰陽寮のこのような事象は陰陽師の呪者化であり、それは貴族社会が要求によるものであると考えられている
しかし、在地の緊迫した情勢のなかで求められた占断であり、その背景は播磨国を中心とする陰陽寮官人が中央政界との結びついた結果では?
・10世紀 政務:神祇官と陰陽寮のうらないによる「祟」認識(軒廊御卜)
貴族生活:陰陽師の「祟」認識(病気、災害など)、「祟」であろうかという疑問→陰陽寮の「祟」認識が貴族社会に定着
*「祟」…その主体だけでなく、認識においても多様に展開(貴族の日記はその実相の一面)

○質疑
・陰陽寮と神祇官とでは、うらないの判断基準は変化するのか?
・祟る主体が神以外であるとはどういうものか?
・「祟」の概念は具体的にはどのようなものか?
・天皇と貴族の病はかなり対処が違うものであるので、同列に扱うのはいかがか?
山田雄司氏(東アジア恠異学会会員)
「源頼朝をめぐる怪異」
現在執筆中

第四回東アジア恠異学会研究会

日程:2001年7月21日(土)13:30〜16:45
場所:京都学生研修会館
参加者(会員):西山 克氏・山田雄司氏・矢吹香奈子氏・宮本晋平氏・徳永誓子氏・村上知美氏・村上紀夫氏・米津江里氏・松倉明子氏・戸田靖久氏
参加者:(オブザーバー):郡司島絢子氏【京都教育大・院生】・片野敬勇氏【京都教育大・学生】・安藤真希氏【京都大・学生】

第四回研究会報告
【報告者:宮本晋平氏・郡司島絢子氏】
徳永誓子氏(東アジア恠異学会会員)
「治療におけるヨリマシ」
○はじめに
テーマ:憑依現象に対する治療方法の変化
摂関期におけるモノノケ・狐憑き=病気として認知される
代表的治療法…ヨリマシに霊を移す←先行研究「憑祈祷(因祈祷・寄祈祷)」と表現
関与する人間・目的の変化の考察…摂関期から中世への展開


○1 摂関期のヨリマシ
ヨリマシを用いる治療法=10世紀に確立

先行研究によるプロセスの析出(山折哲夫・小松和彦・谷口美樹・酒向伸行)
加持…病人に直接働きかける
修法…病人から離れたところに壇を設けて行う
治療者…階層差なし。密教僧、天台僧が多い。
ヨリマシ…@女房や病人に近侍する子女(病人の事情を熟知する者が良い)
例 『枕草子』一本二十三:「大きやかなる童女」など
A病人の家に召し仕える者
例 『宇治拾遺物語』巻一「宇治殿倒れさせ給て実相房僧正験者に召さるゝ事」:「女房の局なる小女」など
→11世紀のヨリマシは非職業的・半職業的
○2 巫女
中世の変化
『祇園執行日記』観応元年(1350)3〜4月:筆者顕詮の近親者妙浄の病の事例
3月29日条:「岩神山山伏神子等」
岩神…中山社とも。冷泉院の内、二条猪熊に所在。
山伏神子…山伏と巫女のセット
近世の修験神子、夫婦カ
4月3日条:「蓼倉山伏」
蓼倉…下鴨社領蓼倉郷カ
蓼倉薬師堂カ←室町期には信仰を集める。岡崎に所在。園城寺円満院の所領内。           室町期に修験修行経験のある房能僧正が別当となる。「蓼倉山伏」は寺門配下?
4月11、13、14日条:山伏神子は不可
物付神子(神子と山伏を各別の所から招請)は可
真言以外の加持は不可→加持の意味が変質
祗園執行クラスの認識:山伏神子等による治療は非正統的

巫女の使用
鎌倉期には確認
『公衡公記』所蔵「後深草院崩御記」
嘉元2年(1304)7月3日条「自今日召物付<非本道之者、只聊有神気之女求出渡之>…」
9日条「自今日具物付<字阿古、金蔵緒云々>…」
※本道の者の使用が一般的カ

「物付」…院政期以降、一般的呼称
女房とは区別し、賞を賜う=専門職化
『民経記』:「依僧坊門女」←「坊門」=所在地?
京中に居住する巫女をヨリマシにした?

摂関期における巫女の口寄せ→憑祈祷への起用:社会への浸透
非専門的ヨリマシの「神気」薄れる?


○3 『春日権現験記絵』に見る諸相

『春日権現験記絵』:14世紀初頭成立、治療者とヨリマシの姿が多数確認される

治療者=僧。1例のみ山伏。
ヨリマシ=治療者に対峙。験者との問答により、託宣が引き出される
6例中、巫女と確定できるのは2例

巫女の能動性:憑祈祷においてはヨリマシは本来受動的
憑依の主導権を握る→真言とは異なる呪文
巫女の神降ろしの呪文:『鴉鷺物語』(室町物語、一条兼良作カ)・謡曲『葵上』

『古事談』「房覚祈忠通病事」:
僧伽の句「南無熊野三所権現五躰皇子」→憑祈祷に熊野信仰

神・仏の境界が薄れる:神に加持をするタブーの消滅
仏教者が神託を人為的に起こしうる。
下からの変化…巫女との関係


○むすびにかえて〜今後の課題〜
背景の変化に踏み込めず:巫女起用の背景
憑祈祷における仏教と神祇の混同
松倉明子氏(東アジア恠異学会会員)
「雨をめぐる恠異」
現在執筆中

第三回東アジア恠異学会研究会

日程:2001年6月30日(土)13:15〜17:00
場所:京都私学会館・201号室
参加者(会員):西山 克氏・山田雄司氏・福田寛孝氏・矢吹香奈子氏・徳永誓子氏・村上知美氏・村上紀夫氏・井上和美氏・戸田靖久氏
参加者:(オブザーバー):片野敬勇氏【京都教育大・学生】・安藤真希氏【京都大・学生】・藤井ゆい子氏

第三回研究会報告
【報告者:福田寛孝氏・村上知美氏】
井上和美氏(東アジア恠異学会会員)
「八、九世紀における疫神観−奈良末・平安初期を中心に−」
はじめに
・病(疫病)の流行…社会背景を反映して原因が考え出される。
⇒その原因としての「疫神」、御霊信仰と結び付いての疫神祭の成立
・問題の所在…8、9世紀に行われている疫神祭を『延喜式』(10世紀成立)に規定される疫神祭と
同列に扱っていいのか。
・本報告の目的…御霊信仰と結び付く以前の疫神祭の実態と国家・民間における「疫神」観の変化を考察する。
@疫神の成立
●天平七、九年の疫痩
・『続日本紀』…大宰府管内における疫病発生、京都へ伝播。藤原房前などの公卿が死亡する。
⇒疫病は京外で発生したものが京へやってくるという社会認識。
防御対策として奉幣や道饗祭が執り行なわれる。
・道饗祭…「鬼魅」を道々で迎え、饗遇することによって京内への侵入を防ぐための祭祀である。
天平7年の道饗祭は大宰府発生の疫病伝播を防ぐため、各国の境界において行われた。
⇒平城京防御を意図するものではなく、自国への疫病侵入を防御するためのものである。
・疫病の原因とは…「疫気」「災気」という「気」、「鬼魅」⇒未だ「疫神」という存在は意識されていない。
●疫神の成立
・『続日本紀』…宝亀元年(770)疫神祭の初見以降、この時期に疫神祭が集中する。
・疫神祭の行われた場所…基本的には全国的規模で行われる祭祀であるが、畿内を重視する傾向。
「京師四隅」「畿内諸界」「畿内十界」などの境界の場で祭られる。
・天平年間における「気」と宝亀年間における「疫神」
…「気」への対処法として神祇奉幣を実施するも効果がない。
⇒「疫気」自体を神格化し、「疫神」として祭ることにより慰撫する。(「疫神」の成立)
・宝亀年間における「疫神」成立の背景
…民間における巫覡の淫祀、政府によって弾圧される。
『続日本紀』藤原広嗣の霊の祟り(政治批判となる)が世相不安を引き起こしているという噂
⇒民間における疫病と祟りとの結合を国家が否定し、「疫神」として規定する。
A承和年間における疫神
●承和年間の疫神祭
・宝亀年間以降、承和年間まで疫神祭の記事はみられないものの、疫神祭自体は継続されていたと考える。
・疫神祭の行われた場所…京域の四隅、七ヵ国六ヵ所の山城国境界、国境、郷邑の境界
⇒外部から侵入する疫病を媒介としての道路が境界と交叉する場所で実施される。 
・『延喜式』への連続…畿内堺十處疫神祭:山城国に隣接する全ての境界、畿内・畿外の境界において行われ
る。
⇒「疫神」を防ぐべき範囲が拡大している。疫神祭が『延喜式』段階へと整備される。
● 疫神の変質
・『続日本後紀』…物恠を卜占し、疫気が予告される。神祇官では疫神祭、陰陽寮では伊勢奉幣が行われる。
⇒「疫神」を祭るのは諸国社を管下に置く神祇官の仕事。
陰陽寮独自の祭祀としては「四角四界祭」が成立するが、この頃は「疫神」を扱う段階には到っていない。
・疫神と物恠の結び付き…物恠の概念の中に包括される「疫神」と「祟り」が、物恠を媒介にして結び付く。
B『日本霊異記』のなかの疫神
●民間における疫神祭
・第二十四縁、第二十五縁…閻羅王の使の鬼=疫神
⇒直接に死をもたらす存在として認識され、死は鬼(疫神)を饗応することによって免れることができる。


【討論】
・西からの疫病は新羅との対外関係に関連し、東での疫神祭は京城を守るものではなく自国内への侵入を防
ぐためのもの。
・境界祭祀は国境の内か外かどちら側で行われるのか。
・国家祭祀としての疫神祭が民間祭祀へどのような影響を及ぼしたのか、また民間の疫神観への影響は。
・物恠は「もっけ」と読み、中世の「もののけ」とは異なる解釈である。
・物恠を卜占で疫気と判じたのであり、実際にはこの時疫病は起こっていないのではないか。
・「疫神」と「祟り」が結び付く必然性はあるのか。

戸田靖久氏(東アジア恠異学会会員)
「玄宗石碑はなぜ鳴いたか」
一、はじめに
唐十八代皇帝僖宗の御代・広明元年の「石言」(『新唐書』五行志・金不従革)
→石にまつわる不思議な怪異現象
これに対して前近代中国における「合理的」解釈としての災異説(その手段としての「天人相関説」)
※後アジア各国に大きな影響を与えたこの「災異思想」・「天人相関説」とはいかな実態を持ち、展開していったものなのか?
その検討より、この史料に現れる玄宗石碑の「有聲」という現象はどう解釈されたのかを再認識するということを本報告課題とする
二、災異思想・天人相関説の研究史的序章
●災異とは何か
・災異発生の二つの動因ム天(宇宙)に対する二つの観点(馮友蘭『中国哲学史』の説)
「天人分離」- 「機械的(自立的)災害」→自然の運行によって起こる
「天人相関」- 「目的論的(他律的)災害」→何かが起こした
●天人相関説の源流−その一
・「時令」の思想(『呂氏春秋』十二月紀・孟秋)
→為政者は、四季の運行(または農耕を中心とした自然のサイクル)にそって制令を出すべきであり、違反すれば(倫理性には関せず)災異が発生する。
・「同類感応」の思想(『荀子』勧学篇・『呂氏春秋』応同篇)
→同じような「物」と「物」との感応(機械的・為政者の事出ず)
●天人相関説の源流−その二
・儒家思想(『孟子』梁恵王章句下)
→天命ないし革命思想における天人関係=人の倫理性・政治性の善悪と天命の授与に関連性を認める
→災異・瑞祥説は含まれず、「人」は人間一般
・後期道家(黄老学派)の思想
→「天」−「道」−「聖人」=「天子・君主」に対する「万物」−「自然」−「人民」
→「天」の道を体得した人間を聖人として尊崇し、「万物」に対する一元的支配権を認める。
・墨家思想(『墨子』天志上篇・尚同中篇・非攻下篇)
→天には意思があり・欲があり、天子はその実現に勉め、「天の賞」を受け、「天の罰」を避けなければならない(天志論)
※ 現在いうところの「天人相関説」に極めて近いが、この場合の「天の意」とは、墨家思想を実現することが前提にある
→「人」は天子に限定されている
●董仲舒の天人相関説
特徴…・天人相関説・災異説の儒教への取り込み
・目的論的宇宙観と機会論的宇宙観の統合
・システマティックな災異論の構成
→「怪異」の創出(段階的災異論・『漢書』董仲舒伝)
(・天子権力の抑制効果…※定説であったが、最近異論もあり)
◇天人相関説と災異論(怪異観)の変遷
(・董仲舒以前 ・董仲舒時代)
・董仲舒以後−災異説の予占化・讖諱説の浸透・仏教の伝来
・六朝時代−怪異小説(ノンフィクションとしての)の登場・仏教の興隆
・唐代−伝奇小説(=現在の小説・フィクション)の登場・道教の興隆
・宋代以後−宋学(≒朱子学)による天人相関説及び災異論の理論的変化
三、「石言」の背景
◇時代背景
・ 政治状況(国家の老朽化・民衆反乱による社会混乱−黄巣の乱)
→黄巣の乱と安史の乱の事件(歴史的共通性ex「長安陥落」・「唐王室の危機」、それを類似すると見る「王権」側の認識・『資治通鑑』)
◇玄宗石碑
・華岳廟と道教信仰
・玄宗「御製」碑
・黄巣の乱時に破壊される
◇石の特異性
・石の持つ神秘的力(『漢書』五行志・『春秋左氏伝』昭公八年条)
→神霊の「依代」(代言者)としての石
・石と「金」の五行論的共通性(『異苑』)
四、「石言」をめぐる思想の東アジア的観点
◇朝鮮の事例…金ユ申の護国説話・新羅王の護国神説話
◇日本の事例…多武峰や将軍塚など「鳴動」記事(『平家物語』巻第五「都遷」)
→神霊と護国護家思想・表現形態としての「石言」の可能性(東アジア全体の枠組み)
五、玄宗石碑はなぜ鳴いたか
◇声の主は誰か−「天」か「神霊」か(玄宗か)「石」か
◇玄宗石碑はなぜ鳴いたか−「天の譴責」か「神霊の警告」か
※あるいは祖先霊としての玄宗の声とすべきか
六、さいごに
現在の怪異研究の問題点と課題
→人類学・民俗学の見地からの研究が先行、歴史学の手法にて実証研究していく必要があるのではないか。


○質疑
・史料解釈はそれでよいのか。
・ 今回は正史を主に用いたが、フィクションや他の種類の史料の利用も検討すべきではないか。
・もしこれを「玄宗」の声とするのならば、同時代にこれに類する例は他にあるのか。
・ 董仲舒の日本への影響の可能性について。


第二回東アジア恠異学会研究会

日程:2001年6月2日(土)13:15〜17:00
場所:京大会館・217号室
参加者(会員):西山 克氏・白山芳太郎氏・佐々木裕子氏・福田寛孝氏・矢吹香奈子氏・二星 潤氏・徳永誓子氏・村上知美氏・戸田靖久氏
参加者:(オブザーバー):福持昌之氏【帝塚山大・院生】・藤井朋子氏【京都大・学生】・片野敬勇氏【京都教育大・学生】・松倉明子氏

第二回研究会報告
【報告者:二星潤氏】
矢吹香奈子氏(東アジア恠異学会会員)
「子取り尼考−日本中世の[疫病]と[妙薬]」
@鬼女、子女ヲ掠奪ス
●承暦元年、子を取る鬼、京都に出現
『源平盛衰記』巻第十一や『神皇正統録』
⇒承暦元年に藍婆鬼が京に出現し、十歳以前の子供を取った。
●承暦元年の社会
『百錬抄』や『扶桑略記』…赤斑瘡により、親王公卿以下多くの死者が出た。
⇒承暦元年は疫病が大流行した年
●藍婆鬼とは
・藍婆鬼=疫病、疫鬼
・平安時代には「疫病=鬼」という意識があった。
・疫病が流行すると、最初に犠牲になるのは抵抗力の弱い子供である。
よって、史料において鬼が取るのは十歳以下の子供とされた。
A秘薬「児干」
●史料にみえる「児干」「子取り」記事
・『看聞御記』⇒子を取るのは悪瘡の薬とするため。
・『鎌倉遺文』982「春日神主中臣祐明解」
⇒傷を治すために、児干(子供の肝)を服用した男の話。
・『今昔物語集』や福島県の民話の「安達ヶ原の鬼婆」⇒生肝を薬とする話。
子を取る者たちの生命への強い執着
●実際の医療
・『金瘡秘伝』にはさまざまな人部薬が書かれている。
・人部薬
→古代中国の影響による。しかし、中国では儒教の考え方から「児干」などは薬として排除しており、隋唐以後はほとんどみられない。日本では説話・史実としてかなり最近まで存在しており、両者には差がみられる。
・流入してきた薬物知識が『今昔物語集』などの説話に取り入れられ、山伏など民間医療に携わる者が、媒介者としてその知識を広める。
B子を取る鬼女たち
・『餓鬼草紙』第二段伺嬰児便餓鬼…死んだわが子への執着心の強さにより鬼になった女が、産婦を求め、嬰児の便(人部薬の1つ)を窺い、その命を奪う。
・中国の姑獲鳥伝説…子供をもてなかった女の執念が女を姑獲鳥に変え、子供をさらい殺す。

【討論】
・日本で「児干」が薬として使用されたのは、日本と中国の遺体観の相違や当時の子供の死亡率が影響しているのか。
・藍婆鬼とは何か→子供にとりつく鬼の一種
・疫病の流行は数年おきで起こり、まだ一度もかかっていない人がかかるため、十歳以下の子供を取るという記述になったのか。
・「児干」の語の成立はいつなのか。使用例はどのくらいあるのか。
・「児干」は具体的にはどの部分を指しているのか。
福田寛孝氏(東アジア恠異学会会員)
「怪異関係史料の講読『建内記』−嘉吉辛酉改元と室町殿怪異」
@『建内記』における一連の狐魅怪異」
・永享十三年二月七日条…室町殿で女房の髪が切られたことを、『洛陽伽藍記』を根拠に、北斗星か尊星王に拝した狐の仕業として、同じ星に祈念する対策をとればよいとする。
・同年同月二十二日条…『太平廣記』中の『酉陽雑俎』の狐怪異引用
・同年同月二十九日条…狐怪異の対策として北斗星に祈祷すべきという記事
A考察:辛酉改元との関係について
・この年は辛酉革命の年にあたるとされ、二月十七日には嘉吉に改元されている。
・『建内記』同年二月八日条では、革命勘文と狐魅記事を同送している。
→室町殿狐怪異と辛酉兆候を結びつけて認識
=室町殿での怪異を改元の要因として認識
→当該期における王権の所在、在り方へのアプローチになるのではないか。

【討論】
・怪異の認定をする人間はどのような立場にいるのか。
・狐と北斗星が結びつく他の事例はあるか。
・狐はなぜ髪を切るのか→狐の尾のイメージと重なる。髪の持つ呪力。
・この前後の時期は室町殿と狐が関連している史料が多い。(『看聞御記』・『満済准后日記』・『康富記』)
・中国でも狐が髪を切る例がある→日本と中国の狐は同じものか。

第一回東アジア恠異学会研究会

日程:2001年4月28日(土)13:00〜16:00
場所:進々堂・百万遍店
参加者(会員):西山 克氏・福田寛孝氏・矢吹香奈子氏・戸田靖久氏
参加者:(オブザーバー):徳永誓子氏【京都大・研修員】・二星 潤氏【関西学院大・院生】ほか

第一回研究会報告
【報告者:矢吹香奈子氏】
事務連絡 →「事務局報告」へ
西山 克氏(東アジア恠異学会研究代表)による報告
○前近代の国家・王権・社会を読み解く方法論的ツールとしての恠異(恠は怪の正字)
○東アジアの基本史料から恠異記事を抽出し、恠異データベースを構築する
恠異についての歴史学的な研究手法を確立するなかで、歴史用語としての恠異を、
前近代の国家・王権・社会を読み解く方法論的ツールに鍛えあげる。

○井上円了(1858−1919)…長大な妖怪研究『妖怪学講義』
→科学的合理的な手法に基づいて、前近代日本人の「迷信」を打破しようとする。
その意図を帳消しにする井上の妖怪への愛着。 しかし迷信打破のコンセプトは分かりやすい。

○ではなぜ、いま恠異なのか
現代怪異ブーム…国際日本文化研究センターの小松和彦氏を中心とした学際的妖怪研究の進展。
→それは京極夏彦氏・夢枕漠氏らのエンターテイメントとしての怪異小説に親近性。
常光徹氏『学校の怪談』映画化など。
現段階における怪異研究は文化人類学的・民俗学的傾向に傾斜。
→しかし民俗学は恠異研究にとって、特権的な立場を主張できない。
前近代の王権が危機(恠異)管理の為に蓄積した先端知識はやがて民俗へと拡散・浸透する。

○怪異ブームを商業主義的なブームに終わらせない
→【歴史学研究の新たな方法論的ツールとしての恠異】の構築を目指す。

○恠異とはなにか−日本中世の恠異史料(主に古記録)から−
T中世社会において(すでに)概念化されていた恠異
→中世人、厳密には中世王権が「恠異」と認定。多くの場合、王権中枢に危機意識を喚起する
→陰陽寮に所属する宮廷陰陽師と神祇官人による軒廊御卜…国家的リアクションが図られる。
U「恠異」と認定されることはないが、中世人が「怪しい」と考えた事象。
→厳密には概念としての「恠異」の範疇には入らないが、中世人をして「希代事也」などと
言わしめた怪しい出来事。
V中世社会でおこり、現代人が「怪しい」と考える事象。
→中世人にとっては恠異ではなく、また「怪しい」ことでもないが、現代的な思考によって
「怪しい」と考えられる出来事。
今後、私たちの語る「怪しい」出来事が、三類型のいずれに入るか、かならず明示する必要がある。
◎討論
T恠異の範囲
→「穢れ」は恠異か
U東アジア世界における恠異
日本独自の恠異は存在するか
日本の恠異の源流は中国に必ず存在するのか

第一回研究会の様子

研究会風景研究会風景 西山氏の発表
西山氏の発表
討論討論(雑談)

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